転職

応用情報技術者(AP)は必要?いらない?エンジニア就活における破壊力

応用情報技術者試験とは

参考:IPA試験区分一覧 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

IPAでは応用情報技術者の対象者像を「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と定義しており、基本情報の上位資格として位置付けてあります。
難易度はそれなりに高く、午後試験では論述形式があり、ITに関する実務的な理解も必要です。
合格率は例年20%~30%前後で推移しています。

応用情報は必要か?不要か?

IT業界の資格論争については、本当に人によって意見が大きく異なるのですが、今回はIT未経験者が就活において応用情報を取得する前提で考えます。
結論:就活におけるアピール力は非常に高い
筆者も学生時代に応用情報技術者試験に合格しており、現在は会社の採用活動にも携わっているため、就活生と採用側両方の視点で応用情報を取得するメリットについて解説します。

知識+実務的論理思考の証明

ネットワーク、データベース、セキュリティ、マネジメントなど、幅広く学習していないと合格できない。
実務では「専門分野以外の基礎知識」が必要になる場面が多い(例:アプリ開発者でもネットワーク障害に直面する・原因がアプリ側にあるのかネットワーク側にあるのかを理解できない)。
応用情報を持っている= ITの基礎を体系的に理解している と示せる。

午後試験では「与えられたケースを読み解き、解決策を論理的に組み立てる力」が求められる。
これは、業務で必要な「要件定義」や「トラブルシューティング」と同じスキル。
単なる暗記試験ではなく、問題解決型の思考力を示せる資格

ある程度仕事における信頼性の証明になる

SIerやSESでは、案件に参画する際に、担当SEの資格情報をスキルシートに記載してクライアントに提出します。国家資格を所有していることはクライアントから信頼を得る材料になるため、営業力の点からも採用されやすくなります。

ITに対するモチベーションの証明になる

リモートワークなどの働き方やキャリアの自由度、平均年収などの点からIT系を目指す人材は増えていますが、実際には、即戦力として活躍できる質の高いIT人材はまだまだ不足しているのが現状です。
多くの企業が人材獲得に苦戦しており、単に人数が増えるだけでなく、専門性や実務力を備えた人材が強く求められています。だからこそ、応用情報技術者のような資格を取得しておくことは、「基礎をしっかりと理解している」「自ら学ぶ意欲がある」という姿勢を示す有効なアピール材料になります。
未経験者にとっては特に、知識やモチベーションを客観的に証明できる手段となり、採用担当者に安心感を与えることにつながります。

つまり、資格の“効力”そのものよりも、「自主的に勉強して挑戦した」という行動そのものが評価されるということです。


まとめ

応用情報技術者試験は、IT未経験者にとって「就活で必ず必要」というものではありません。しかし、体系的な知識の証明や論理的思考力のアピール、さらには学習意欲を示す手段として、大きな説得力を発揮します。
口で「ITに興味がある」と言うことに対して、応用情報という結果でモチベーションを裏付けすることの就活における効果は絶大です。
資格そのものが内定を保証するわけではありませんが、「勉強を継続できる人材」「基礎を理解している人材」と評価されやすくなるのは間違いありません。
未経験からIT業界を目指すなら、応用情報を取得しておくことは大きな武器となるでしょう。

ブラック企業体験談(IT)

私がブラックIT企業に入社して仕事をしていた時の経験談です。
採用ページなどではわからない裏側についてもまとめているので、これから就活をする方や転職を考えている方はブラック企業がどういった雰囲気かイメージしやすいと思います。

ブラック企業でインフラエンジニアとして働いた体験談
採用ページでは見えなかった実態

【ブラック企業に入社したきっかけ】

新卒で入社した会社は、上場したばかりで勢いのある「未経験者歓迎」のIT企業でした。
会社説明会では「成長中の会社で案件は多数あるが、人手が足りていない」「やる気のある人にどんどんチャンスを与えていく」といった前向きな言葉が並び、経験重視でスキルを身に着けていきたかった私は多少負荷が高くても経験が積めるならと思い入社を決意しました。

当時は親から「もっと(制度や福利厚生・給料的に)働きやすそうな会社にしたら?」と言われていたのですが、私はあまり聞く耳を持ちませんでした。

【制度】

  • 日給月給制

祝日の多い月はその分給料が少なくなります。電車遅延で遅刻しても遅延証明書は考慮されず、遅刻した時間分その日のうちに働かないと給与がカットされました。

  • みなし残業制度

基本給にあらかじめ残業代が組み込まれているため、組み込まれている時間内で残業しても給料が変わりません。(月40時間)
上司からは作業が終わるまで帰らないようにと言われますが、就業時間を30分過ぎると退勤時間を具体的に入力した申請が必要になる上、事後申請だと厳しく怒られるためタイムカードを切った後にサービス残業をする社員が多くいました(いつ作業が終わるか見通しを立てづらい場合も多いので具体的な終了時間を決めて申請を提出するのが面倒でした)。
これにより、採用ページ上の「平均残業時間」は少なく見えていました。

  • 計画有給制度

いわゆる「有給消化を会社が指定する制度」で、世間での祝日が実際には有給を使用して取得している状態にされ、自由に取得できる有給は年5日ほど。
コロナ禍でも一部の社員しかリモートワークが許されず、感染しても自己責任とされ、療養休暇で有給は姿を消しました。

【実際にあったブラックなエピソード】

  • ハラスメントが日常茶飯事
    →仕事が遅れていた社員に対し「何しに会社来てんの?」
    ゲームが趣味と言った同期に対して「ゲームの何が面白いんかね」
    等、社長から相手を否定するような発言が平然と飛び交う。
  • 作業が終わるまで帰らせてくれない
    →終電が無くなってホテルに泊まる同期や、エラー対応で会社に寝泊まりする先輩も。
  • 出張の移動時間は勤務時間外
    →朝5時過ぎに家を出発して遠方の現場での勤務開始が13時~だった日、通常通りの9時間勤務で退勤時間は夜10時。
  • 残業時間が多い
    →時間換算すると最低賃金も無い給料に対して、指示される作業量とハードル・責任が割に合っていない。1日5時間以上の残業は当たり前で、朝8時に現地集合で夜10時まで作業を指示される日も。
  • 仕事道具は自腹で用意
    →社長が「会社の備品が減っている、誰か盗んでるんじゃないか」と言い、「物を大事にしないから」という理由でコンソールケーブルやドライバーなどの工具類を自分で買わされる。
  • 社員を信用していない
    →経験の浅い新人のみで大規模PJの作業を何のサポートもなく丸投げし、トラブルがあると「小手先の知識でやるからや」と理不尽に怒られる。
    新人に対して作業を問題なく遂行できるか過剰に詰問し、できると言うと「ほんまかいな(笑)」と疑ってくるような発言をし、怪しいと言うと「日曜日に勉強してこい」など自主学習を強要してくる。

【社長の発言集】

  • 「4年目までは修業期間」
    →初年度の昇給は2,000円、ボーナスも全員統一の金額で、4年目の先輩の話によると4年目までは修行期間のため給料はあまり上がらないと社長が言っていたとのことでした。
  • 「学生じゃないんだから、勉強とか言ってないでプロとして会社に貢献しろ」
    →こちらが「これから勉強していきたい」と意気込んだ時の返答です。
    言っていることはもっともかもしれませんがいちいち言い返さないでほしいですね。
  • 「なんかすぐ体調不良になるやつもいるしな」「ほとんど座ってないやん」
    →インフルとコロナに連続してかかった際、当てつけのように他の社員に向けて言われました。
    出張先で腹痛に襲われてトイレとサーバ室を往復していた時にも、さも仕事をサボっているかのように笑われ、完全に駒としてしか見られていないと感じました。

【最後に】

愚痴を言ったらキリがないのですが、今回は私が新卒で入社したブラック企業での体験談をざっくり紹介しました。
制度としてブラックなのはある程度採用サイトなどで判断がつきますが、人間的に合う・合わないは入ってみないとわからないところも多いので実際のところ難しいです。
上で記載した「仕事道具は自腹で用意」も、工具類は割といい値段するので新卒の給料ではすぐに揃えることができずにいたのですが、1週間後くらいに私が会社の備品を使用して作業しているところを見た社長から「やる気ゼロやな」と言われて、当時新卒で入社して仕事を頑張ろうと張り切っていた私は普通にショックでした笑
朝礼で毎朝誰かがスピーチをしなければいけなかったりリモートワークが認められていなかったりと、考えが前時代的なものに関してもこれを機に敬遠するようになりました。
最初は前向きに仕事をしていましたが、制度面や働き方、そして社長の言動からこの会社にこれ以上自分の時間を費やしたくないと思い、転職を決断しました。